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もうSS呼ばわりにはかなり無理があるかも……。
終わる気配がありません。
才能無いから長くなるんですよ(涙)
終わる気配がありません。
才能無いから長くなるんですよ(涙)
「ねえ、覚えてる??」
明子は唇をほころばせて、やわらかに言葉をつむいだ。
「中二の頃、私達同じ体育委員だったわね」
同じと言っても、明子は1組でボクは2組だった。
前期にクラス委員をした明子は後期はクラス委員をしたくなくて、仕方が無く誰もやりたがらない体育委員を引き受けたのだと人づてに聞いた覚えがある。
後期は体育祭があるからクラス委員よりも体育委員の方が不人気なのだ。不人気の一位と二位を争う二つの委員の順序が後期で逆転する。結局どちらにしろいつでも彼女はワーストワンを押し付けられる運命だったと言うべきか。
そしてボクは年間を通して体育委員だった。
3年間ずっと。
明子のようにクラス委員になれる器でもなかったし、とにかく勉強よりも身体を動かす方が好きだったから。
「あの頃、私、結構辛い立場だったから、体育の授業中とか、あなたにたくさん助けて貰って、すごく嬉しかった……」
静かに微笑む明子からは当時の翳りは無いけれど、確かにあの時彼女はかなり辛かったんじゃないかと思う。
ボクは首を振った。
「何かしてあげたかったけど、結局ボクは何も出来なかった」
「ううん、してくれたわ。
授業の時、たくさん助けてもらったし、傍に居てくれただけですごく心強かったもの」
体育の授業は2クラス合同だった。だから1組の体育委員の明子と2組の委員のボクは組んでいろいろと準備をしたり教師のサポートをした。
本来だったら1組は1組、2組は2組で固まる部分もすっ飛ばしてボクはよく明子と組んだ。
――体育委員だから。
その大義名分をかかげて。
「私達、兄同士が親友で、なのに友達とは言えない仲だったけど、ただの知り合いって感じでもなかったわね。
どうしてかしら。
私、ずっと、あなたと仲間だと思ってた。
仲間と言うか、同志??
なんだか不思議ね」
静かな声で、優しく目を細めて、淡々と語る。懐かしく胸が切なくなるあの頃のボク達のことを。
ボクは当時から明子をずっと見つめていた。どうしてか理由は判らなかったけれどボクの目には明子しか写らなかった。小さい頃からずっと。ボクは自分の気持ちにまったく気づいてはいなかったけれど。
「ボクもずっと親近感を持ってた。やっぱりきみが川村先輩の妹だったからかな」
真実を告げることはとても出来なくて、ボクは何とかそう返した。
すると明子の長い睫毛か何度か瞬き、それから静かに伏せられた。
「私はきっとそうじゃなかった。義晴先輩の兄弟じゃなくてもきっと私はあなたを特別に感じてたと思うわ」
不意にボクの心臓がうるさく暴れだした。握る手にじわりと汗が滲む。
そんな都合のいい話があるわけが無い。
ボクは自分の愚かな考えを打ち払うように何度も頭を振った。
「――憧れていたというか、好きだったわ。
ちゃんと一人で立っているあなたが。
群れの中の一人じゃなくて、しっかりと自分という個を持っていたあなたが、多分好きだったから……」
都合のいい幻聴が聞こえてきて、ボクはますます首を振った。
「きっと、義晴先輩はそんな私の気持ちを知っていたから、私と付き合おうとしたんだと思うわ」
頭の悪いボクには明子の言葉の意味がまったく判らなくて、ただただ馬鹿のように首を振り続けることしか出来なかった。
明子は唇をほころばせて、やわらかに言葉をつむいだ。
「中二の頃、私達同じ体育委員だったわね」
同じと言っても、明子は1組でボクは2組だった。
前期にクラス委員をした明子は後期はクラス委員をしたくなくて、仕方が無く誰もやりたがらない体育委員を引き受けたのだと人づてに聞いた覚えがある。
後期は体育祭があるからクラス委員よりも体育委員の方が不人気なのだ。不人気の一位と二位を争う二つの委員の順序が後期で逆転する。結局どちらにしろいつでも彼女はワーストワンを押し付けられる運命だったと言うべきか。
そしてボクは年間を通して体育委員だった。
3年間ずっと。
明子のようにクラス委員になれる器でもなかったし、とにかく勉強よりも身体を動かす方が好きだったから。
「あの頃、私、結構辛い立場だったから、体育の授業中とか、あなたにたくさん助けて貰って、すごく嬉しかった……」
静かに微笑む明子からは当時の翳りは無いけれど、確かにあの時彼女はかなり辛かったんじゃないかと思う。
ボクは首を振った。
「何かしてあげたかったけど、結局ボクは何も出来なかった」
「ううん、してくれたわ。
授業の時、たくさん助けてもらったし、傍に居てくれただけですごく心強かったもの」
体育の授業は2クラス合同だった。だから1組の体育委員の明子と2組の委員のボクは組んでいろいろと準備をしたり教師のサポートをした。
本来だったら1組は1組、2組は2組で固まる部分もすっ飛ばしてボクはよく明子と組んだ。
――体育委員だから。
その大義名分をかかげて。
「私達、兄同士が親友で、なのに友達とは言えない仲だったけど、ただの知り合いって感じでもなかったわね。
どうしてかしら。
私、ずっと、あなたと仲間だと思ってた。
仲間と言うか、同志??
なんだか不思議ね」
静かな声で、優しく目を細めて、淡々と語る。懐かしく胸が切なくなるあの頃のボク達のことを。
ボクは当時から明子をずっと見つめていた。どうしてか理由は判らなかったけれどボクの目には明子しか写らなかった。小さい頃からずっと。ボクは自分の気持ちにまったく気づいてはいなかったけれど。
「ボクもずっと親近感を持ってた。やっぱりきみが川村先輩の妹だったからかな」
真実を告げることはとても出来なくて、ボクは何とかそう返した。
すると明子の長い睫毛か何度か瞬き、それから静かに伏せられた。
「私はきっとそうじゃなかった。義晴先輩の兄弟じゃなくてもきっと私はあなたを特別に感じてたと思うわ」
不意にボクの心臓がうるさく暴れだした。握る手にじわりと汗が滲む。
そんな都合のいい話があるわけが無い。
ボクは自分の愚かな考えを打ち払うように何度も頭を振った。
「――憧れていたというか、好きだったわ。
ちゃんと一人で立っているあなたが。
群れの中の一人じゃなくて、しっかりと自分という個を持っていたあなたが、多分好きだったから……」
都合のいい幻聴が聞こえてきて、ボクはますます首を振った。
「きっと、義晴先輩はそんな私の気持ちを知っていたから、私と付き合おうとしたんだと思うわ」
頭の悪いボクには明子の言葉の意味がまったく判らなくて、ただただ馬鹿のように首を振り続けることしか出来なかった。
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