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そしてまだ続くみたいですよ(困)

 兄同士が親友だったとはいえボク達はろくに口も聞いたことは無かった。

 ボクはもうずっと小さい頃から明子を見ていた。

 何をしても彼女が目に入る。

 何でこんなにいつも彼女のことばかり考えるのか全然わからなかった。

 それを愛だの恋だのと名づけたのはそう言えば兄貴だった。

 二つ年上の兄貴とは毎日外で転げまわるように遊んでいて二人ともいつも真っ黒に日焼けしていた。

 そこには往々にして川村先輩の姿も見られた。

 川村先輩の口から聞く明子の話しと見かける姿がボクの知る明子のすべてだった。

 なのにどうしてボクは明子が好きなんだろう。

 そもそもその気持ちを好きだと自覚したのは中学の卒業式だった。

 もう明子の姿を見ることが出来ないと思うとこらえきれず泣けてきて、誰にも見られたくなくてうつむいてこっそり泣いていたら気がついた女の子達がボクを取り囲んでわあわあ泣き出した。

 卒業式なんだから泣いて良いんだ。

 ボクはもっと泣けてきて、しばらく皆と一緒に泣いていた。

 涙をぬぐって顔を上げると、視線の先には彼女が。

 やや顔を上向きにして誇らしげに微笑すら浮かべて背筋を伸ばして立つ明子に、なんて綺麗なんだろうと。

 そう思った時、「他人を愛するということは愛する相手しか目に入らなくなることが多々ある」と昔何かの折に兄貴が言っていた言葉がやっと腑に落ちた。

 ボクは物心ついた頃からずっと明子が好きだったのだ。

 何故なのかその理由はわからなかったけれど。

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