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すいません、週末に風邪を引いていて拍手を更新できませんでした。
もう少し手直しして、今週中にはかならず。
突発SSはこれにて完結です。
だから何?? って感じですよね。
でもいいんです。
久々に書いて満足しました。
かなりリハビリな感じで。
次からはリクエストをぼちぼちと。
ページを作ってからですが(それが一番面倒なんですが)
長々お付き合いいただき有り難うございました。
もう少し手直しして、今週中にはかならず。
突発SSはこれにて完結です。
だから何?? って感じですよね。
でもいいんです。
久々に書いて満足しました。
かなりリハビリな感じで。
次からはリクエストをぼちぼちと。
ページを作ってからですが(それが一番面倒なんですが)
長々お付き合いいただき有り難うございました。
見たことも無いような綺麗な笑顔で明子が笑う。
なのに、やわらかに細められた目の、ほんのりと赤く染まった淵から、透明な涙が静かに頬を伝った。
どうして彼女は泣くんだろう。
どうして彼女はこんなに綺麗なんだろう。
どうしてボクはこんなに彼女にとらわれるんだろう。
愛していると言われて、胸が苦しい。
愛しているのにどうしてボク等は一緒にいられないんだろう。
愛し合っても一緒にはいられない。
それはボクが女だから。
明子と同じ性別だから。
ボクは生まれた時からボクで。
違うか、2歳違いの兄貴が自分を「ボク」って言ってたから、言葉を覚えたてのボクは自分を「ボク」と呼び始めたのだ。
それからずっとボクはボクのまま、自分を通してきた。
久保晴子という名前だったため、『ボク』というあだ名がついたほどだ。
「ボク……」
明子がかすかに震える声でボクを呼ぶ。
「ありがとう。
あなたがずっと見ていてくれたから、私は私でいられたの。
あなたが見ててくれたから私はちゃんと立っていられた。
あなたが見ててくれなかったら、きっと私は負けていたわ……」
それは愛の告白よりもボクの胸に重く響いた。
ボクが彼女から目が離せなかった事は彼女の力になったのだと思うと、無駄ではなかったのだと思うと、胸の奥から焼け付くような熱い塊がこみ上がってくる。
余計な事をしゃべって混乱させて申し訳ないと謝罪して立ち上がろうとした明子をボクはとっさに呼び止めた。
「きみは……、きみは今、幸せ??」
彼女はすぐには答えずにややあってゆっくりと頷いた。
だからボクは決めた。
「今、君が幸せなら、いい。
でも、いつか、幸せじゃないと感じる事があったら……。
ボクを思い出して。
ボクはずっときみが好きだから……」
「そんな!」
明子は激しくかぶりを振った。
「そんな事言っては駄目!
あなたは結婚して幸せになるんでしょう??
そうじゃなくても好きな人と一緒になるんでしょう?
私を待っては駄目よ!!
そんな事をあなたに言わせるためにここに来た訳じゃないのに。
――ごめんなさい……」
明子の顔を悲痛な陰が彩る。
どうだろう。
「ボクは君と話せてよかったと思った。
兄貴の気持ちがわかったし、きみの気持ちも知ることが出来た。
何より自分の気持ちを否定しなくていいんだって思えたのが一番嬉しかった。
この気持ちを持ち続けてはいけないんだって、ボクはずっと思っていたから……。
きみを思うだけできみが穢れてしまう気がしてた」
はらはらと明子の目から涙が落ちる。
こんなに泣かせるために会った訳じゃないのに。
いつでも明子には笑って欲しいのに。
ボクは涙で冷たくなった明子の頬に手を伸ばしてその涙をぬぐった。
初めて触れるその滑らかな感触にふとめまいに襲われ、指先からボクの思いが溶け出してしまいそうだと思った。
明子は目を閉じて気持ちボクの手に頬を寄せて、その手の上から自分の手を重ねた。
そしてとても幸せそうに微笑んだ。
「有り難う。
もう自分がめちゃめちゃで、どうしていいか判らなくなっちゃったけど。
有り難う。
あなたの気持ちがとても嬉しい。
私、今、とても幸せなの」
すべてを捨ててボクと生きて欲しいと言いたいけれど。
人間には捨てられないものがたくさんあるから。
ボク自身だってそうだから。
口にすることは出来ないけれど。
いつか、ボクのところに、来て欲しい。
ボクと一緒に生きて欲しい。
心の中だけでそっと願う。
半身のようだった兄貴を失った悲しみはそうそうには癒えないけれど、明子の告白によって灯された火はボクの心をじんわりと暖めはじめた。
今すぐ何かを決めることは出来ないけれど、いつかを心に信じて、自分の出来る精一杯の生き方をすればいいんだと、心が軽くなる。
ボクはたまらなく目の前の明子に口づけたくなった。
おわり
なのに、やわらかに細められた目の、ほんのりと赤く染まった淵から、透明な涙が静かに頬を伝った。
どうして彼女は泣くんだろう。
どうして彼女はこんなに綺麗なんだろう。
どうしてボクはこんなに彼女にとらわれるんだろう。
愛していると言われて、胸が苦しい。
愛しているのにどうしてボク等は一緒にいられないんだろう。
愛し合っても一緒にはいられない。
それはボクが女だから。
明子と同じ性別だから。
ボクは生まれた時からボクで。
違うか、2歳違いの兄貴が自分を「ボク」って言ってたから、言葉を覚えたてのボクは自分を「ボク」と呼び始めたのだ。
それからずっとボクはボクのまま、自分を通してきた。
久保晴子という名前だったため、『ボク』というあだ名がついたほどだ。
「ボク……」
明子がかすかに震える声でボクを呼ぶ。
「ありがとう。
あなたがずっと見ていてくれたから、私は私でいられたの。
あなたが見ててくれたから私はちゃんと立っていられた。
あなたが見ててくれなかったら、きっと私は負けていたわ……」
それは愛の告白よりもボクの胸に重く響いた。
ボクが彼女から目が離せなかった事は彼女の力になったのだと思うと、無駄ではなかったのだと思うと、胸の奥から焼け付くような熱い塊がこみ上がってくる。
余計な事をしゃべって混乱させて申し訳ないと謝罪して立ち上がろうとした明子をボクはとっさに呼び止めた。
「きみは……、きみは今、幸せ??」
彼女はすぐには答えずにややあってゆっくりと頷いた。
だからボクは決めた。
「今、君が幸せなら、いい。
でも、いつか、幸せじゃないと感じる事があったら……。
ボクを思い出して。
ボクはずっときみが好きだから……」
「そんな!」
明子は激しくかぶりを振った。
「そんな事言っては駄目!
あなたは結婚して幸せになるんでしょう??
そうじゃなくても好きな人と一緒になるんでしょう?
私を待っては駄目よ!!
そんな事をあなたに言わせるためにここに来た訳じゃないのに。
――ごめんなさい……」
明子の顔を悲痛な陰が彩る。
どうだろう。
「ボクは君と話せてよかったと思った。
兄貴の気持ちがわかったし、きみの気持ちも知ることが出来た。
何より自分の気持ちを否定しなくていいんだって思えたのが一番嬉しかった。
この気持ちを持ち続けてはいけないんだって、ボクはずっと思っていたから……。
きみを思うだけできみが穢れてしまう気がしてた」
はらはらと明子の目から涙が落ちる。
こんなに泣かせるために会った訳じゃないのに。
いつでも明子には笑って欲しいのに。
ボクは涙で冷たくなった明子の頬に手を伸ばしてその涙をぬぐった。
初めて触れるその滑らかな感触にふとめまいに襲われ、指先からボクの思いが溶け出してしまいそうだと思った。
明子は目を閉じて気持ちボクの手に頬を寄せて、その手の上から自分の手を重ねた。
そしてとても幸せそうに微笑んだ。
「有り難う。
もう自分がめちゃめちゃで、どうしていいか判らなくなっちゃったけど。
有り難う。
あなたの気持ちがとても嬉しい。
私、今、とても幸せなの」
すべてを捨ててボクと生きて欲しいと言いたいけれど。
人間には捨てられないものがたくさんあるから。
ボク自身だってそうだから。
口にすることは出来ないけれど。
いつか、ボクのところに、来て欲しい。
ボクと一緒に生きて欲しい。
心の中だけでそっと願う。
半身のようだった兄貴を失った悲しみはそうそうには癒えないけれど、明子の告白によって灯された火はボクの心をじんわりと暖めはじめた。
今すぐ何かを決めることは出来ないけれど、いつかを心に信じて、自分の出来る精一杯の生き方をすればいいんだと、心が軽くなる。
ボクはたまらなく目の前の明子に口づけたくなった。
おわり
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