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恋に、堕ちる。

どこまでも堕ちて行く。

底が見えないほど深く。

眩暈がするほど果てしなく。

留まる事を知らずに、ただ堕ちてゆく。




――あなたの元へ……。










 だったら良いよね??

 激しく希望的観測。

【恋に、落ちる。 4】


 そうして乃明は芸術系の大学に進学し、卒業した。

 私はただただ乃明の軌跡を追う日々を無為に過ごした。

 何度も諦めようと思い、けれども諦め切れなくて、と無駄に繰り返しながら。

 心が思うとおりになるならば世界に争いはなくなるだろう。

 小さな恋心ですら人間は制御できない。

 だから痴情のもつれや、戦争が後を絶たないのだ。



 翌年、乃明が友人達と共同個展を開く事になった。

 私はサイトでその情報を知り、どれほど迷い、悩み、眠れぬ夜を過ごしたか知れない。

 乃明に会いたい。

 乃明の絵を、生の絵をこの目で見たい。

 乃明の声を聞きたい。

 乃明の姿を一目でいいから。

 その恐ろしいほどに膨れ上がった欲望に、私は自分の心を制御しきれなくなった。

 今まで手の届かないところに有ったものが、ふいに、手が届くのかもしれないと思った瞬間の目が眩むほどの欲望。

 渇望、飢餓、熱情。

 さまざまな感情がぐるぐると巡って私を木の葉のように翻弄する。

 決意は逡巡より早かった。

 会えば失望して諦められるかもしれないと自らに言い訳して。

 私はそ知らぬ顔で個展へと出かけたのだ。

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